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Vol3.『辞めてどうするの?』に答えるキャリアデザインの新常識



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「このまま会社員を続けていいのだろうか」

「起業や副業に興味はあるけれど、不安で動けない」

そんな悩みを抱える25歳から30歳の会社員に向けて、キャリアの“地図”を描くヒントを届ける連載です。

本シリーズでは、キャリア迷子になりがちな20代後半が直面する課題を整理し、少しずつ前に進むための考え方や行動のヒントを紹介していきます。


Vol3.『辞めてどうするの?』に答えるキャリアデザインの新常識


「辞めたいけど、その先が分からない」 「転職?フリーランス?起業?…結局どうすればいいんだろう」

20代後半から30歳前後にかけて、会社員にとって最も多い相談がこのテーマです。いざ退職を考えても、周囲からは必ずと言っていいほど投げかけられる質問があります。

それが── 「辞めてどうするの?」 です。

この問いに明確に答えられない限り、不安は消えませんし、行動にも移せません。今回は、この問いにどう向き合い、自分なりの答えを導き出すためのキャリアデザインについて整理してみます。

「辞めたい理由」と「辞めた後のビジョン」は別物

まず押さえておきたいのは、「辞めたい理由」と「辞めた後にどうするか」は別問題だということです。

多くの人は「今の会社が合わないから辞めたい」という気持ちを、次の行動にそのままつなげようとします。けれど、辞めたい理由の多くは「逃げの感情」にすぎず、次のキャリアを描くには弱すぎる動機です。

大事なのは「嫌だから辞める」ではなく、「こうありたいから動く」という前向きな軸を持つこと。 つまり「辞めたい理由」ではなく「やりたい未来」から考える必要があります。

今の仕事を辞めたい→辞めてからどうしよう

ではなく、

自分はこれからこんな生き方がしたい→だったら今の仕事を辞めて別の道を歩むのが良い

このような考え方の方が動機づけの力としては強いものです。

キャリアデザインの3つの視点

では、どうやって「理想の未来」を描けばいいのでしょうか。ここで役立つのが、以下の3つの視点です。

1. ライフデザイン(人生観の整理)

どんな暮らしをしたいのか? どこに住みたいのか? どんな人と関わっていたいのか?

キャリアは仕事だけで成り立つものではありません。ライフスタイルの希望を言語化することで、キャリアの方向性も見えてきます。

2. バリューデザイン(価値観の整理)

自分にとって「大事にしたいもの」は何か? 安定か、挑戦か。 収入か、自由か。

価値観の優先順位を明確にすると、仕事の選び方が変わります。たとえば「収入より自由を優先したい」と分かれば、フリーランスや地方移住も選択肢に入ってきます。

3. スキルデザイン(強みの整理)

自分には何ができるのか? 人から感謝された経験は?得意だと言われたことは?

スキルは“武器”です。 今すぐビジネスにつながらなくても、棚卸しすることで「売れる可能性のある強み」が見えてきます。棚卸とは、これまでの人生で学んできたこと、練習してきたこと、仕事として従事してきたことを改めて「俯瞰して」「第三者目線で」並べ上げて整理することです。


例えば、大学の学部、打ち込んでいた部活やスポーツ、趣味、これまで経験した仕事などです。 あなたの人生そのものの中に、必ず何かが隠れています。

よくある勘違いは、「上には上がいる」という考え方です。

たとえ相対的にNo1ではなくとも、自分の人生の中で関わってきた事、物、者はすべて自分のスキルといえるでしょう。

「辞めてどうするの?」に答えるシンプルな枠組み

上の3つを整理すると、「辞めた後どうするのか」に答えられるシンプルな枠組みが作れます。

  1. 私は◯◯な暮らしを望んでいて(ライフ)

  2. そのために◯◯という価値観を優先したい(バリュー)

  3. だから◯◯というスキルを活かしていく(スキル)

たとえば:

  • 「私は地方で自然を感じながら暮らしたい(ライフ)。また人生には挑戦が大切だ(バリュー)。だから、これまでの営業経験を活かすことに加え、新たにWEBマーケティングを勉強し地方でも売上が立てられるようなオンラインでの商品販売を始めたい(スキル)。」

このように言語化できれば、「辞めてどうするの?」と聞かれても迷いなく答えられますね。

キャリアデザインは“地図づくり”

大事なのは「いきなり目的地にワープしようとしないこと」です。キャリアデザインは地図づくりに似ています。

  • 今どこにいるのか(現在地)

  • どこに行きたいのか(目的地)

  • そのために通る道は何か(ステップ)

この3つを整理することで、ぼんやりとした不安は「行けるかもしれない」という希望に変わっていきます。

「辞めたい」と思った時こそ、キャリアを考えるチャンス

「辞めてどうするの?」という問いは、裏を返せば 「辞めた後の未来を描くチャンス」 です。不安になるのではなく、自分の人生を見直すタイミングだと捉えてみましょう。

  • 今の職場に居続けるのか

  • 転職して環境を変えるのか

  • 独立や起業に挑戦するのか

答えは人それぞれですが、共通するのは「自分の人生の舵を、自分で握る」ということです。

まとめ

「辞めたい」という感情は誰にでも訪れます。大切なのは、その気持ちを行動に変えるときに「逃げ」ではなく「未来」を軸に考えることです。

  • ライフデザイン(どんな暮らしを望むか)

  • バリューデザイン(何を大事にするか)

  • スキルデザイン(どんな強みを活かすか)

この3つを整理すれば、「辞めてどうするの?」という問いに、あなたなりの明確な答えを持てます。

そしてその答えは、他人を納得させるためのものではなく、自分自身を安心させ、前に進むための宝の地図になるのです。


今回は「『辞めてどうするの?』に答えるキャリアデザインの新常識」についてお話ししました。25歳から30歳は、キャリアの分岐点であり、迷いが生まれやすい時期です。小さな一歩を積み重ねることで、必ず自分だけの地図が見えてきます。


次回は「副業から起業へシフトするための3つの視点 」をテーマに、さらに深掘りしていきます。ぜひフォローして、続きも読んでいただければ嬉しいです。

 
 
 

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石田優磨

同志社大学商学部卒

京都の会計事務所で約10年勤務したのちアンサーマップ事業を立ち上げ。

​「25歳から30歳の、悩む方々の地図作り」サービスの提供をスタート。

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